流通機構

平成2年に宅建業者間で広く、かつ、迅速に物件情報を交換し、契約の相手方を探索する仕組として、指定流通機構制度が発足し、全国で37の流通機構が建設大臣(現・国土交通大臣)により指定された。指定流通機構制度の不動産取引への活用を図るため、専属専任媒介物件は宅建業法により、専任媒介物件は標準媒介契約約款により、指定流通機構ヘの物件登録が義務づけられた。その後、より広範かつ多数の物件情報を取引関係者が共有することにより、取引の一層拡大と、不動産取引市場の透明化を図る必要が生じたため、平成7年の業法改正で専任媒介物件についでも登録を義務づけるとともに、指定流通機構の法的位置づけを明確にすることとなった。これにより、平成9年4月から全国4組織(東日本不動産流通機構、中部圏不動産流通機構、近畿圏不動産流通機構、西日本不動産流通機構)の流通機構が建設大臣(現・国土交通大臣)の許可・指定を受け、法人格を有する組織として発足した。

分かれ

一つの取引における媒介報酬の合計は、依頼のあった取引の当事者双方から支払われた額を加えたものとなるが、それぞれの当事者から依頼を受けた業者が異なるときには、その取引に関与した業者は、それぞれ依頼のあった当事者から受領することとなり、この配分方法を意味する。

 

ロフト

本来の意味は、屋根裏部屋、倉庫などの上階のことであるが、住宅の屋根裏を物置き等に利用するスぺースを指す用語としても定着してきている。一戸建て住宅だけでなく、切妻屋根のマンションの最上階住戸などにも採用されている。 

路線価

市街地の道路に沿った土地の毎年1月1日における1m2当たりの評価額占路線価は、宅地の価額が同一と認められる一連の宅地が面している路線ごとに、国税庁が公示価格や売買実例を参考にして.決める。相続税、贈与税及び地価税では、市街地の土地をこの路線価で評価する。この路線価が載つている路線価図には、借地権割合も載っており、国税局や税務署で閲覧することができる。

礼金

地域の慣習により、不動産の賃貸借契約に際し、借主から貸主に支払われる一時金の一種。通常は返還を要しないものとされ、賃料の前払的性格を有する。また、賃貸借の契約期間が長期で、譲渡又は転貸を認める契約条件の場合は、権利の譲渡的性格を帯びてくるものがある。このように、礼金の性格についでは、賃料の前払、借地権設定の対価等と様々な考え方があり必ずしもはっきりとはしていない。

レインズ(REINS)

Real Estate Information NetworkSystemの略。不動産流通機構の近代化方策として建設省(現・国土交通省)が企画した不動産情報ネットワークをいう。不動産に関する情報の規格・構成(広告を作成する際の規格等)等を各業者にすべて任せておいた場合には、それを読む消費者ぱかりでなく他の業者にも、正しい情報が伝わらないおそれもあり、宅建業者間の情報交換が妨げられることとなる。 このため、レインズでは、不動産情報規格の標準化、標準的システムの開発、流通機構間の提携強化、ミニVANの形成などを図り、不動産業者による情報の共有化体制の確立を図ることを目的としている。また、レインズ構想の一環として、建設省(現・国土交通省)と(公財)不動産流通近代化センターとが共同して設計・開発した情報処理システム(レインズ・システムといい、物件情報の規格の統一・通信プロトコル・アプリケーションの標準化に関する規格)がある。

リロケーションサービス

転勤等による短期間の留守宅等の賃貸の媒介、留守宅の賃貸業務の代行、建物の維持管理、引っ越しの手配、家財の保管、転勤先から帰ってきた時の明渡し保証等の業務サービスのこと。 

両手、片手

宅建業者が受け取る手数料収入は宅建業法に基づく報酬であり、売主、買主間で取引が成立し、宅建業者の立会いにより売買契約が締結された後に、宅建業者は売主、買主の双方より報酬をもらえるか、片方からだけもらえるかということ。取引が成立した場合の媒介報酬を、その取引に関与した一つの宅建業者が取引の当事者双方から受け取ることを両手、一方のみから受け取ることを片手という。一つの取引に関与した宅建業者が一つの場合は、当事者双方から報酬を受け取ることが多ぃ。なお、宅建業者が報酬を受け取れるのは、媒介の依頼が前提となることはいうまでもない。 

用途地域

都市に立地する多種多様な用途の建築物の混在を防ぐことにより、近隣の公害を防除するとともに、それぞれの地域に立地する建築物の機能を十分に発揮させ、各地域に予定された土地利用の内容に従った公共施設の計画的整備を可能にする制度であり、都市の土地利用計画の一つとして、地域地区制度の中核をなすものである。現行の用途地域は、第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域及ぴ工業専用地域の12種類であり(都計法8条1項1号)、各用途地域内では、それぞれの目的に応じて建基法の規定により、建築物の用途規制及ぴ形態規制が行われる。

容積率

前面道路の幅員により、その最高限度が制限されている(表参照/建基法52条1項及び2項)。なお、容積率の算定に当たって延べ面積に参入しないものとして、(1)建築物の地階で住宅の用途に供する一定の部分の床面積(同法52条3項)、(2)共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積(同法52条5項)、(3)自動車車庫その他の専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設の用途に供する部分の床面積(同法施行令2条1項4号)などと定められているほか、幅員6m以上12m未満の前面道路が70m以内で幅員15m以上の道路(特定道路)に接続する場合は、特定道路までの距離に応じた数値を加えること(同法52条8項)等の特例がある。

ユニット工法住宅

住宅の一部分(ユニット)を部屋単位で工場で生産し、現場では工場で生産したユニットを組み立てて住宅を完成させる方式の住宅をいう。プレハブ住宅の一種である。この工法の住宅は現場での工期が短いというメリットもあるが、間取りの変更が困難というデメリットもある。

ユーティリティ

建物内でサービス関係の設備を有する部分。住宅においては、洗濯機・食品貯蔵設備・収納棚等が集中している家事作業の中心部分をいう。主婦室とも呼ばれる。

屋根

元の地盤の上に土を盛って宅地を造成した部分を「盛土」部分、元の地盤を削って宅地を造成した部分を「切土」部分という。傾斜地を造成した場合、1つの宅地で「盛土」と「切土」部分が混在する場合も多い。宅地造成等規制法では、宅地造成とは宅地以外の土地を宅地にするため又は宅地において行う土地の形質の変更をいい、土地の形質の変更とは、(1)切土をした土地の部分に高さが2mをこえるがけを生ずるもの、(2)盛土をした土地の部分に高さが1mをこえるがけを生ずるもの、(3)切土と盛土を同時にする場合において盛土をした土地の部分に高さが1m以下のがけを生じ、かつ、当該切土及ぴ盛土をした土地の部分に高さが2mをこえるがけを生ずることとなるもの(4)切土又は盛土をする土地の面積が500m2をこえるものをいうと規定されている(宅地造成等規制法施行令3条)。

 

元付け

物件の売り、又は買いの依頼を直接受けていることを業者間では元付けという。元付けした業者は元付け業者となるが、元付け業者のことを単に元付けということも多い。

メゾネットタイプ

マンションの2階建てと考えればわかりやすい。上下2層に分かれた住宅を1戸の住戸として用いる、ヨーロッパタイプの集合住宅の方法で、それぞれに専用の内階段がある。高級なマンションに多く取り入れられており、立体的に居住空間を使える。

 

 

マンションの建替えの円滑化等に関する法律

区分所有者による良好な居住環境を備えたマンションへの建替えが円滑に実施できるよう、平成14年12月18日に施行された法律。略してマンション建替え円滑化法ということも多い。マンション建替事業の主体としての法人格を持ったマンション建替組合の設立、権利変換手続による区分所有権、抵当権等の関係権利の変換、危険又は有害な状況iこあるマンションの建替えの促進のため特別な措置等について定めている。

マンションの管理の適正化の推進に関する法律

マンション管理の適正化を推進する措置を講ずることにより、分譲マンションにおける良好な居住環境の確保を図ることを目的として平成13年8月1日に施行された法律。略してマンション管理適正化法ということも多い。本法では、国家資格としてのマンション管理士の資格制度、マンション管理業者の登録制度、マンション管理業者への管理業務主任者の設置義務、マンション管理適正化推進センターの指定等を定めている。

マンション管理士

管理組合の運営その他のマンションの管理に関し、マンション管理士の名称を用いて、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする者で、マンション管理適正化法30条1項の国土交通大臣の登録を受けた者のこと。マンション管理士の試験は国土交通大臣が指定する者に試験事務を行わせることができることとされており、当該試験機関として(財)マンション管理センターが指定されている。マンション管理士試験に合格し、その登録をしたときは、マンション管理士登録証が交付される。

保証金、敷金

保証金とは、貸ビル業界の取引用語であり、元来はビルの建築協力金として発生し、預託を受けたビルオーナーは10年間据置きの後、11年目から年利2%付利の上、10年間でテナントへ均等返金するというような方式であり、昭和48年頃までのビルに多い。これは準金銭消費貸借契約と解される。しかしながら、最近の保証金は実質にはテナントの退去時まで据え置かれる敷金扱いのものがほとんどである。また、敷金とは、ピル賃貸借契約に付随し、テナントが賃料などの支払債務の担保としてオーナーに対し提供するもので、ビル退去時まで据え置かれる。

報酬額の制限

宅建業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理・媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによることとなっている。宅建業者はこの額を超えて報酬を受けてはならない(宅建業法46条2項)。これは購入を希望する消費者が適正な費用で媒介等を受けられるよう保護するものである。国土交通大臣はこの規定を受けて告示(昭和45年10月23日、建設省告示1552号)を定めており、200万円以下の部分が100分の5、200万円を超え400万円以下の部分が100分の4、400万円を超える部分が100分の3である。売買の媒介の場合で、取引額(消費税相当額を含まない)が400万円を超えるときの限度額は、簡易計算法により(取引額×3%+6万円)となる。国土交通大臣が定めた報酬の額は、事務所ごとに見やすいところに掲示しなければならない。(同法46条4項)。

不動産流通標準情報システム

略称は「レインズ」(Real Estate Information Network System=REINS)。不動産流通市場の整備を図るため、流通機構相互間の連携を可能とするために、建設省(現・国土交通省)と(公財)不動産流通近代化センターが共同して設計・開発した不動産情報処理システム。昭和61年にその設計仕様が公表され、流通機構への導入が進められた。標準システムの基本構成は、個々の不動産業者(流通機構の会員)が情報機器を利用して流通機構に物件情報の登録、検索、図面要求等を行い、流通機構から図面情報等の提供を受けるというもの。

不動産流通近代化センター

財団法人で、国庫助成金と不動産業界各団体や一部金融機関の出掲金の合計30億円を基金として、昭和55年11月に設立された。このセン夕-は、不動産流通の近代化を指導するとともに、出掲に参加した業界団体やその構成員が行う協業化(会館設立等)及び近代化(店舗改装等)に要する資金の融資の保証及び一部の利子補給等を行っている。近代化指導事業としては、価格査定マニュアルの作成及び改善・普及、不動産流通標準情報システムの設計・開発及び改善・保守、指定流通機構の登録物件の調査分析等を行っている・また、宅建業に従事する者の教育研修事業として、実務講習(宅地建物取引主任者資格登録の要件である2年以上の実務経験に代わる実務講習)、指定講習(宅建業法16条3項の規定に基づく指定講習)、初任従業者教育研修制度に基づく研修主催企業の認定及び研修、宅地建物取引主任者が受講を義務づけられている法定講習のテキストの編集・刊行等も行っている。所在地は、〒170-6065東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60・32F。電話は、03-3986-0575。

不動産の表示に関する公正競争規約

不当景品類及び不当表示防止法10条の規定に基づき公正取引委員会の認定を受けて、不動産業界が設定した不動産の取引に関する広告その他の表示に関する自主規制基準。同法4条(不当表示の禁止)の解釈基準の一つとして取り扱われる。北海道、東北、首都圏、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州」の9地区に不動産公正取引協議会並びに不動産公正取引協議会連合会が設立されている。

不動産の証券化

不動産の所有者が、流動化する目的で特別目的会社等のビークル(証券発行主体となる器)に所有する不動産を譲渡し、その不動産から生まれる収益(キャッシュフロー)を裏付けとして社債や株式等の有価証券等を発行して投資家から資金調達する仕組みの総称。

不動産投資顧問業

不動産投資を考える投資家からの依頼に基づき、.不動産投資に関する助言業務や投資判断・取引代理を伴う一任業務を業として行うこと。不動産に関する投資顧問業には「有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律」の適用はなく、宅地建物取引業法の規制を受けるが、平成12年9月に建設省告示(不動産投資顧問業登録規程・平成12年9月1日・建設省告示第1828号)により任意の登録制度が創設された。不動産投資顧問業は、不動産に対する投資判断に関し、口頭、文書その他の方法により助言を行う一般不動産投資顧問業と、不動産に対する投資判断の全部又は一部を委任されるとともに、投資を行うのに必要な権限を委任され、不動産取引を行う総合不動産投資顧問業とがある。

不動産登記簿

登記事項である不動産の現況及ぴ不動産に関する権利関係を公示するため、l個の不動産ごとに設けられる公の帳簿をいい、不動産の所在地を管轄する登記所(法務局)に保管されている。不動産登記簿は、不動産の現状を公示する表題部と権利関係を公示する甲区・乙区の用紙からなっている(不動産登記法16条)。なお、信託原簿等は登記簿とは別途編緩されるが、登記簿の一部とみなされる(同法110条の6)。不動産に関する登記簿は、不動産登記法に基づく土地登記簿・建物登記簿のほか、特別法に基づく立木登記簿(立木ニ関スル法律12条)等がある。

不動産適正取引推進機構(REITO)

「RETIO」は、RealEstate Trans・action Improvement Organizationの略称。財団法人で、不動産取引をめぐる紛争の防止を図り、また、紛争の処理に当たる機関として、地方公共団体、不動産業界、学識経験者等の支援により、昭和59年4月に設立された。設立以来、紛争事例の収集・分析、地方自治体や業界団体などの不動産相談業務への助言・支援活動、広報・出版活動、紛争案件の処理業務等を進めてきている。また、昭和63年度からは、指定試験機関として宅地建物取引主任者資格試験を実施し、平成2年9月からは、免許・登録事務のOA化に伴い、これら事務処理システムの管理運営を行っている。
所在地は、〒105‐0001東京都港区虎ノ門3-8-21第33森ビル3階。
電話は、03‐3435‐8111。
URLはhttp://www.retio.or.jp

不動産公正取引協議会

不当景品類及び不当表示防止法10条の規定に基づき設定し、公正取引委員会の認定を受けた「不動産の表示に関する公正競争規約」を円滑かつ効果的に実施するために設けられた事業者(宅建業者等)又は事業者の団体で構成される協議会のこと。規約の周知徹底、事業者の指導、規約違反の疑いのある事実の調査、規約の規定に違反する事業者に対する措置等を行う。なお、協議会には、広告代理店等の不動産取引に関する表示に関与する者及びこれらの者の団体も賛助者として参加することができる。不動産公正取引協議会は、北海道、東北、’首都圏、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州の各地区に設けられているが、平成14年11月1日に、規約の運営機関として全地区の協議会により構成される不動産公正取引協議会連合会が設立され、会員協議会の事業に関する指導・助言・協力並びに規約の解釈・運用の統一等の業務を行っている。

ピロティ(Piloti)

1階部分の柱と柱の間に囲まれた吹き抜け空間部分をいう。建基法に関する通達では、周囲の相当部分が壁のような風雨を防ぎ得る構造の区画を欠き、かつ、居住…(中略)…その他の屋内的用途を目的としない「屋外部分とみなされる部分」で、その部分の接する道路又は空地と一体の空間を形成し、かつ、常に人又は車の通行が可能なものは床面積に算入しないものとされている。

標準媒介契約約款

建設大臣(現・国土交通大臣)が定めた標準的な媒介契約書で、(1)標準専任媒介契約約款、(2)標準専属専任媒介契約約款、(3)標準一般媒介契約約款(明示型)の3種類がある。媒介契約書には、頭書部分の契約書欄には、依頼者、受託者名等、そして、成約に向けての努力義務、違約金等、有効期間、約定報酬額、約定報酬額の受領時期、所有者等、目的物の表示、価額等を記載することとなっている。また、媒介契約約款欄には、媒介契約特有の留意事項が記載されている。宅建業者が依頼者から宅地又は建物の売買又は交換に係る媒介の依頼を受け、了承したときは、遅滞なく、一定事項を記載した書面を依頼者に交付しなければならないが(宅建業法34条の2)、書面に記載する事項が詳細で、かつ、その文章の内容が明確でなけれぱ実際の取引の際役に立たないので、円滑な取引の確保と一般の依頼者の保護の観点から建設大臣が標準媒介契約約款を定め告示(昭和57年建設省告示第1110号)した。その後、業法改正により、専属専任媒介契約制度の創設や専任媒介契約の指定流通機構への登録の義務づけがなされたことにより改訂告示(平成2年建設省告示第115号)され、宅建業者に対し引き続き標準媒介契約約款を使用するよう指導が行われている。

PC造

Precast Concretc造の略で、「プレ」は前もって、「キャスト」は鋳型にはめて製造することをいい、工場であらかじめ鉄筋コンクリートパネルを製造し、これを現場で組.み立てて構造体をつくる工法で建てられた構造。コンクリートパネルは工場で製造されるので、現場での工期がいわゆる現場打ちに比べて大幅に短縮できるとともに、狭い現場にも対応できる点が特徴。

媒介報酬(仲介報酬)

媒介の依頼を受けた宅建業者が、依頼者のために奔走して売買等の契約締結を実現した場合、依頼者が宅建業者へ支払う成功報酬をいう。契約が成立しない限り宅建業者は、特別に依頼を受けた広告費用や、あらかじめ依頼者の承諾を得た特別の費用以外に経費・報酬を請求できない点は、通常の委任や準委任の法律関係と異なる。なお、宅建業者は、建設省(現・国土交通省)告示により定められた額を超えて報酬を受け取る‐ことはできない(宅建業法46条2項)。また、国土交通省は媒介報酬の支払の時期については売買等の契約成立時に半額、所有権移転登記等媒介の責任を完了したときに残額を受領するよう指導している。

媒介契約の内容の書面化

宅建業者は宅地又は建物の売買又は交換に係る媒介契約を締結したときは、遅滞なく、媒介契約の内容を書面に記載し、記名押印のうえ依頼者に交付しなければならない(宅建業法34条の2)。書面に記載する内容は、(1)当該宅地又は建物を特定するための所在、地番、構造等、(2)当該宅地又は建物の売買すべき価額又は評価額、(3)当該媒介契約が、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約(明示型)又は一般媒介契約(非明示型)のいずれに該当するかの区別、(4)媒介契約の有効期間及び解除に関する事項、(5)指定流通機構への登録の有無、(6)報酬に関する事項、(7)専任媒介契約を締結した依頼者が、他の業者に媒介を依頼して契約を成立させたときの措置、(8)専属専任媒介契約を締結した依頼者が媒介を依頼した業者が探索した相手方以外の者と契約を締結したときの措置、(9)一般媒介契約(明示型)を締結した依頼者が、明示していない業者に媒介の依頼をして契約を締結したときの措置、(10)当該媒介契約が建設大臣(現・国土交通大臣)の定めた標準媒介契約約款であるか否かの別。なお、貸借の媒介については、現在のところ書面の交付が義務づけられていない。また、媒介契約の内容を書面に記載する場合、文章の内容が曖昧では困るので、建設大臣(現・国土交通大臣)の定めた標準媒介契約約款を使用するよう通達が出されている。

媒介契約

地又は建物の売買、交換又は貸借のなかだち(とりもち)を宅建業者に依頼する契約のことをいう。宅地又は建物の売買又は交換等をしようとする場合、自分の希望する条件(価格、引渡し時期等)に合った適当な相手方脅、広い範囲から探し出すことば極めて困難である。そこで、これらの取引をする際に、両者の間をとりもつことを専門としている宅建業者に、取引の相手方を探すよう依頼することになる。このときの依頼契約を媒介契約という。宅建業者は、宅地又は建物の売買又は交換に関する媒介契約を締結したときは、後日、媒介契約の存否、内容、報酬等をめぐって紛争等の生ずるのを防止するため、遅滞なく、一定の契約内容を記載した書面を作成し(媒介契約の内容の書面化)、依頼者に交付することが義務づけられている(宅建業法34条の2)。なお、媒介契約は、(1)依頼者が他の宅建業者に重ねて依頼することができる一般媒介契約(明示型と非明示型がある)、(2)依頼者が他の宅建業者に重ねて依頼することができない専任媒介契約、(3)依頼者が依頼をした宅建業者が探索した相手方以外の者と売買又は交換の契約を締結することができない専属専任媒介契約がある。

媒介

宅地又は建物の売買、交換又は貸借のなかだち(とりもち)を宅建業者に依頼する契約のことをいう。宅地又は建物の売買又は交換等をしようとする場合、自分の希望する条件(価格、引渡し時期等)に合った適当な相手方を、広い範囲から探し出すことは極めて困難である。そこで、これらの取引をする際に、両者の間をとりもつことを専門としている宅建業者に、取引の相手方を探すよう依頼することになる。このときの依頼契約を媒介契約という。宅建業者は、宅地又は建物の売買又は交換に関する媒介契約を締結したときは、後日、媒介契約の存否、内容、報酬等をめぐって紛争等の生ずるのを防止するため、遅滞なく、一定の契約内容を記載した書面を作成し(媒介契約の内容の書面化)、依頼者に交付することが義務づけられている(宅建業法34条の2)。なお、媒介契約は、(1)依頼者が他の宅建業者に重ねて依頼することができる一般媒介契約(明示型と非明示型がある)、(2)依頼者が他の宅建業者に重ねて依頼することができない専任媒介契約、(3)依頼者が依頼をした宅建業者が探索した相手方以外の者と売買又は交換の契約を締結することができない専属専任媒介契約がある。

農地法

農地改革の成果を維持推進するために昭和27年に制定された法律で、農地はその耕作者自らが所有することが最適であると認めて、耕作者の農地の取得を促進し、及びその権利を保護し、並びに土地の農業上の効率的な利用を図るため、その利用関係を調整し、もって耕作者の地位の安定と農業生産力の増進を図ることを目的としている(農地法1条)。

農地等の権利移動の制限

(1)農地又は採草放牧地についで所有権を移転し、又は地上権、賃借権等の使用収益権を設定し、若しくは移転する場合には農業委員会(その住所地以外の区域にある農地を取得する等の場合には都道府県知事)の許可を受ければならない(農地法3条l項)。許可を受けないでした売買契約等はその効力を生じない(2)農地又は採草放牧地を転用(採草放牧地を農地に転用する場合を除く)するために、これらの土地について、(1)の権利(同法3条1項本文に掲げる権利)を設定し、又は移転する場合は当事者が都道府県知事(同一事業の目的に供するため4へクタールを超える農地等の権利を取得する場合には、農林水産大臣)の許可を受けなければならない(同法5条1項)。無許可の売買契約等はその効力を生じない。

抜き行為

業者に不動産取引の媒介を依頼し、その結果知った物件等を、その情報元の業者を通さずに取引を成立させることをいう。不動産取引には、多くの業者が関与する場合があり、結果的にその中の特定の業者のみが最後まで関与した場合、それが抜きに当たるのか、単に競争に勝ったに過ぎないのか、その判定は個々のケースによることとなる。

2項道路

建基法42条2項に定められた建基法上の道路なので、一般にこう呼ぱれる。みなし道路ともいう。昭和25年11月23日以前(この日以降に都市計画区域に指定された区域内の場合は、指定の日の前日以前)から建物が立ち並んでいる幅員4メートル未満の道で、特定行政庁が指定したものは建基法上の道路とみなされ、道路の中心線から2メートル後退したところに道路境界線があるとみなされる。ただし平成4年の法改正により、特定行政庁が指定する区域内においては原則として幅員6メートル以上が道路として取り扱われれるが、この6メートル区域指定を受けた場合は、道路の中心線から3メートル(避難や通行の安全に支障がない場合2メートル)が道路境界線とみなされる。また道路の片側がJI|やがけ等の場合は、それらの境界線から4メートル後退したところが道路境界線とみなされる(建基法42条2項)。不動産の広告に当たっては、建基法42条2項の規定により道路とみなされる部分(セットバックを要する部分)を含む土地についてはその旨を表示し又セットバックを要する部分の面積がおおむね1割以上である場合は、その面積も表示しなければならない(不動産の表示に関する公正競争規約施行規則3条3号)。

取引態様の明示

宅建業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する広告をするとき、及び注文を受けたときは、次のいずれの立場であるかを明らかにしなければならない(宅建業法34条)。それは、(1)自己が契約の当事者となって売買又は交換を成立させる、(2)代理人として、売買、交換又は貸借を成立させる、(3)媒介して売買、交換又は貸借を成立させる、の3態様であるが、これを明示する必要があるのは、取引態様のいかんにより法律上の効果や報酬の額が異なるからである。なお、取引の途中で取引態様が変わったときも、遅滞なく明示し直さなければならない。明示の方法は、口頭でも書面でも良いが、紛争を防ぐためにも書面でするほうが望ましい。

取引事例(成約事例)

宅建業者が媒介を行った売買・交換及び賃貸借の不動産取引について成約時期、対象物件、取引物件、当事者の事情等の取引内容を整理し、資料事実に表現したものをいう。業者が媒介契約締結に際し売却物件を取引事例と比較検討することにより、依頼者へ助言する意見価格の根拠として必須であるほか、市場調査、地価動向、相場気配等の不動産取引実態把握に役立つところが大きい。宅建業者は登録物件についての売買・交換の契約が成立したときは、遅滞なく、指定流通機構に報告しなけれぱならない(宅建業法34条の2第7項)。

徒歩所要時間の表示

宅建業者が一団の宅地又は建物の分譲の広告をする場合に、当該団地から各施設までの距離又は所要時間についで表示をするときは、不動産の表示に関する公正競争規約15条により、道路距離80メートルにつき1分を要するものとして算出し、1分未満の端数についでは1分に切り上げることとしている。坂道、歩道陸橋は考慮されず、信号の待ち時間も含まれない。

土壌汚染対策法

土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図ることを目的として平成15年2月15日に施行された法律。本法では、鉛、砒素、トリクロロエチレン等の特定有害物質に関する定義、土壌汚染の状況.の調査、土壌汚染のある土地についての指定区域め指定、土壌汚染による健康被害の防止措置等を定めている。

都市計画法

現行の都市計画法は、大正8年の旧都市計画法を廃止し、昭和43年に新法として制定され、昭和44年から施行された。高度経済成長に伴う産業と人口の都市部への集中は、無秩序な市街化の拡大や都市内部の過密化、土地利用の混乱を招き、都市機能の低下や環境の悪化等の弊害をもたらした。こうした事態を踏まえて、「都市の健全な発展と秩序ある整備1を図り、「国土の均衡のある発展と公共の福祉の増進」に寄与することを目的として、本法は制定された。内容としては、(1)都市計画区域内において定める地域地区等の土地利用に関する計画や都市施設、市街地開発事業に関する計画といった都市計画の内容等、(2)都道府県や市町村による都市計画の決定手続、(3)開発許可制度等の都市計画制限等について定めている。最近では、平成14年に改正され(平成15年1月1日施行)、都市計画の案制度の創設、地区計画等の見直し等が行われた。

都市計画

都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画で、都計法の規定により定めちれたものをいう。都市計画区域の整備・開発及び保全の方針、区域区分(市街化区域及び市街化調整区域)、都市再開発方針等、地域地区、促進区域、遊休土地転換利用促進地区、被災市街地復興推進地域、都市施設、市街地開発事業、市街地再開発事業等予定区域、地区計画等の11種類がある(都計法6条の2~12条の12)。都市計画が決定されるとその効果として、都市計画がはたらき、一定の建築行為等が規制されることとなる。都市計画は、都道府県又は市町村が定める(同法15条1項~4項)。

特定道路

建基法で幅員15メートル以上の道路のこと。幅員6メートル以上12メートル未満の前面道路が、延長70メートル以内の部分において特定道路に接続する場合に、特定道路までの距離に応じて前面道路の幅員加算が行われる(建基法52条8項)。

道路位置の指定

道路法、都計法、土地区画整理法、都市再開発法等によらないで築造する道路(幅員4メートル以上)で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの(位置指定道路)については、建基法上の道路として接道義務、道路内建築制限、容積率、道路高さ制限等の規定が適用される(建基法42条1項5号)。この道路位置の指定についでは、袋地状道路とすることができる場合の当該道路の延長の制限や自動車の転回広場の設置、すみ切りの設置、縦断勾配等に関する基準が政令で定められている(同法施行令144条の4)。

登記簿謄本

登記用紙と同一様式の用紙をもって、(1)登記簿の一用紙に記載した事項を遺漏なく全部謄写したもの(不動産登記法施行細則35条の2本文)、(2)又は法令で定められた一部の事項を除くその他の事項の全部を謄写したもので、登記官の認証したものをいう。後者には、(1)現に効力を有する登記のみを謄写して作成したもの(同細則35条の2ただし書)(ただし、その場合は、その旨が記載されている)、(2)共同人名票の謄写のみを省略し、その余の事項全部を謄写して作成したもの(同細則35条の3第l項)、(3)共同担保目録、信託原簿、又は工場抵当の機械器具目録の謄写のみを省略し、その余の事項全部を謄写して作成したもの(同細則35条の3第2項)がある。登記簿謄本はだれでも手数料を納付して、直接に、または郵送料を切手で納付すれば郵便でも申請できる(同法21条)。

登記簿

私法上の権利の得喪・変更など関係事実の存在を公示かつ保護するため、一定の事項を記載した公の帳簿をいい、不動産登記簿、船舶登記簿、商業登記簿がある。

登記の公信力

登記上の表示を信頼して不動産の取引をした者は、たとえ登記名義人が真実の権利者でないような場合でも、一定の要件の下でその権利を取得することが認められることをいう。わが国では、登記の公信力を認めない。したがつて、いくら登記名義人が真実の所有者と思って、その者から不動産を買い受けたとしても、真の所有者からはそれを取り上げられることになるので、不動産の取引では、登記簿を閲覧するだけでは不十分ということになる。これに対して、動産では占有に公信力が認められるから、売主の所有と信じた買主は、そぅ信じるについで過失がなけれぱ、真の所有者がほかにあっても、その動産の所有者となることができる(民法192条)。

登記事務のコンピュータ化

登記簿の改ざん防止、増大する謄抄本の交付請求への対応等、登記事務処理の迅速化・適正化を図るため、昭和63年の不動産登記法の改正により、法務大臣の指定する登記所において、登記情報がコンビユータで処理されることとなり移行作業が、順次進められている。コンビユー‐タによる処理の内容としては、登記簿の情報を電磁的に記録(以下、Γコンビュータ登記簿」という)し、コンピュータ登記簿から謄抄本に代わる書面(登記事項証明書)を発行したり、登記申請があった場合には権利変動をコンビュータ登記簿に書き込むというシステム(ブックレスシステム)である。

登記権利者・登記義務者

対立する当事者が、共同して登記申請する場合の登記手続上の呼称である(不動産登記法26条l項)。登記権利者とは、その登記が実行されたとき、その権利についで利益を受けることが登記簿上直接的に表示されることになる権利の名義人をいい、登記義務者とは、それとは逆にその権利につき不利益を受ける‐ことが登記簿上、直接的に表示されることになる権利の名義人をいう。例えぱ、売買による所有権移転登記にあっては買主が登記権利者、売主が贅記義務者となる。また抵当権設定登記にあっては抵当権者が登記権利者、設定者が登記義務者となるが、その抹消登記の申請では、反対に設定者が登記権利者、抵当権者が登記義務者である。

転貸借

賃借人乙が、賃貸人甲かち借りた物を第三者丙に又貸しすることをいう。乙が丙に転貸するためには甲の承諾を必要とし、これに反して転貸すると、甲は目的物の所有権に基づいて丙にその引(明)渡しを求めることができるし、乙に対しては賃貸借契約を解除することができる(民法612条)。ただし、特に家屋等の場合には、転貸が甲に対して背信行為にならない特段の事由があるときは、解除できないと解されている。また、借地の場合には、甲が転貸を承諾しないとき、裁判所が承諾に代わる許可を与えることができる(停地借家法19条1項)。甲の承諾を得た転貸では、甲は丙に対しても、直接賃料の請求をすることができることになる(民法613条)。

テラスハウスとタウンハウス

テラスハウスとは、住宅の建て方の一つで、長屋建て、連続建てともいわれ、各戸が土地に定着し、共用の界壁で順々に連続している住宅のことである。タウンハウスとは、接地型住宅団地の一つの形態であって、住戸を集約化し、各住戸の専用使用する土地の面積を最小限にとどめ、それによって、オープン・スペース、コミュニティ施設用地を確保し、良好な住環境を団地全体で創出するものである。しかし、タウンハウス団地内の住宅はテラスハウスであることが多いため、テラスハウスのことをタウンハウスということもあるようであるが、この両者はもともと異なった意味を持つものである。なお、敷地(団地の敷地の全部あるいは一部)が共有となるか否かで区別し、有であれぱタウンハウス、そうでなればテラスハウスと称することもある。

テラス

庭園や街路に張り出して、コンクリートやレンガ等を敷きつめた場所のことで、日本語でいう露台のこと。住宅のホールや食堂、居間等から直接出られるようになっていて、戸外で休息したり、お茶を飲んだりするのに使う。テラは土の意味。

手付金等

代金の全部又は一部として授受される金銭及び手付金その他の名義をもつて授受される金銭で代金に充当されるものであって、契約の締結の日以後、取引物件の引渡し前に支払われるものをいう(宅建業法41条l項)。