売買について

不動産売買に関して、知っておいた方が良い情報をご紹介いたします。

  1. 査定の仕方
  2. 売買契約にかかる諸費用
  3. 媒介報酬(売買)
  4. 契約不適合責任
  5. 不動産登記の種類

査定の仕方

当社の不動産価格の査定は以下の価格から計算して出します。

路線価

路線価は、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平m方メートル当たりの価額(千円単位で表示しています。)のことであり、路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用います。なお、路線価が定められていない地域については、その市区町村の「評価倍率表」をご覧ください。

地価公示

地価公示は、地価公示法に基づき、国土交通省土地鑑定委員会が、一般の土地の取引価格の指標とするなどのため、都市計画地域等における標準地を選定して、毎年1月1日時点の1平方メートル当たりの正常な価格を判定し公示するものです。

取引事例

取引事例比較法の計算をする際には、まず近隣地域または同一需給圏内の類似地域にある土地から取引事例を収集します。次に、収集した事例の土地取引価格に事情補正や時点修正、地域要因や個別的要因を比較して比準価格を求めるのが算出の流れです。

建物の評価は、固定資産税の評価額をそのまま利用

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売買契約にかかる諸費用

.印紙税 (契約金額に応じて契約書に貼付)

2.所有権移転登記

理由 土地の税率 建物の税率
売買 2%(令和8年3月31日までは1.5%) 2%(令和6年3月31日までは0.3%)
相続 0.4% 0.4%
贈与 2% 2%
競売 2% 2%

3.固定資産税清算金

不動産の売買に際しては毎年継続的に賦課される固定資産税、都市計画税を売主、買主がどのように分担するかという問題が生じるが、その負担額を算出する基礎となる日がいわゆる公租公課の起算日である。固定資産税、都市計画税は毎年1月l日の登記名義人に対して課せられるのであるから、税の分担については1月l日を起算日とするのが正しいとする暦年方式説(1月1日説)と1月1日はあくまで税の賦課期日にすぎず、課税対象期間は4月l日から翌年3月末日までと解釈するのが正当であり、したがって4月1日を起算日とすべきだとする年度方式説(4月1日説)の2説がある。

4.不動産取得税

土地や家屋を売買・贈与・交換などにより取得した場合は、原則として市町村の固定資産課税台帳に登録されている価格によります。新築、増改築した家屋や造成した土地など新たにできた不動産については、調査のうえ、固定資産評価基準により評価した価格になります。※令和9年3月31日までの宅地等の取得については、課税標準額を2分の1とする特例措置が講じられています。

税率

不動産を取得した日 土地 家屋
住宅 住宅以外
平成20年4月1日から
令和9年3月31日まで
3% 3% 4%

5.解体費

建物を解体するために必要な費用がかかります。一軒家で300万円くらいです。

6.確定測量費用

土地の売却前に行う確定測量費用は30万円から60万円ほどかかります。

7.媒介報酬

媒介報酬の支払額は「売買価格×3% +6万円+消費税」で計算

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媒介報酬(売買)

媒介報酬の支払額は「売買価格×3% +6万円+消費税」で計算

媒介報酬の上限額は、売買価格に対する比率が宅地建物取引業法で決まっています。 比率は買うときも売るときも同じですが、売却価格が低い場合に特例がありますので、後ほど説明します。

■媒介報酬の上限額

売買価格※ 媒介報酬の上限額
200万円以下の部分 売買価格の5%+消費税
200万円超400万円以下の部分 売買価格の4%+消費税
400万円超の部分 売買価格の3%+消費税

※売買価格には消費税を含まない

なお、2018年の法令改正で、400万円以下の低廉な空家等の土地または建物を売る場合は、仲介手数料の上限額が18万円+消費税となる特例が施行されました。近年空き家の増加が大きな問題となっています。長期間放置されていた空き家は低額売却しか見込めず、調査費用も嵩むケースが多いことが仲介手数料に反映されました。例えば200万円の物件を売却する場合、改正前は10万円プラス消費税が仲介手数料の上限でしたが、改正後は18万円プラス消費税が上限となります。購入の場合は特例の対象外ですので、10万円プラス消費税が仲介手数料の上限です。

■売買価格別 媒介報酬の目安

売買価格※ 媒介報酬の上限額 媒介報酬の上限額(消費税10%を含む)
300万円 売却時/18万円
購入時/14万円
売却時/19万8000円
購入時/15万4000円
1000万円 36万円 39万6000円
2000万円 66万円 72万6000円
3000万円 96万円 105万6000円
4000万円 126万円 138万6000円
5000万円 156万円 171万6000円
6000万円 186万円 204万6000円
7000万円 216万円 237万6000円
8000万円 246万円 270万6000円
9000万円 276万円 303万6000円
1億円 306万円 336万6000円

※売買価格には消費税を含まない

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契約不適合責任

1、契約不適合責任とは?

「契約不適合責任」とは、売買や請負などの契約に基づき引き渡された目的物につき、以下の3点のいずれかに関して契約内容との間に相違があった場合に、売主(施工業者)が買主(施主)に対して負担する法的責任をいいます。

① 目的物の種類
契約上の目的物と、実際に引き渡された目的物の品目が異なる場合、契約不適合責任が発生します。
(例)シューズクロークを設置すべき場所に、通常の靴箱が設置されていた

② 目的物の数量
契約上定められた目的物の数量に対して、実際に引き渡された数量が過剰または不足している場合、契約不適合責任が発生します。
(例)収納棚を3つ並べて設置すべき場所に、収納棚が2つしか設置されていなかった

③ 目的物の品質
契約上定められた目的物の品質に対して、実際に引き渡された目的物の品質が劣っている場合、契約不適合責任が発生します。
(例)無垢材を使用すべきリビングの床に、合板材が使用されていた

特に新築の注文住宅では、建物に欠陥や契約との相違が見つかり、契約不適合責任が問題となるケースが多いのが特徴です。

2、契約不適合責任と瑕疵担保責任の違いは?

2020年4月1日に改正民法が施行される以前は、「瑕疵担保責任」が契約不適合責任に近しいものとして存在していました。

改正前民法における瑕疵担保責任は、現行民法における契約不適合責任と類似し、売買等の目的物の欠陥・不備(=瑕疵)について、売主(施工業者)側の責任を認めるルールです。
それでは、瑕疵担保責任と契約不適合責任の違いは、どのような点にあるのでしょうか。

  1. (1)契約不適合責任では、契約責任説を明示的に採用改正前民法における瑕疵担保責任については、学説上「法定責任説」と「契約責任説」が対立していました。① 法定責任説
    特定物の売買においては、契約で定められた目的物を引き渡せば足りるという考え方(特定物ドグマ)を基本としつつ、売主・買主間の公平を図るため、売主に特別の責任を認めたのが「瑕疵担保責任」であるとする説です。
    法定責任説によると、瑕疵担保責任は、特定物に関する有償契約についてのみ適用されます。② 契約責任説
    実際に引き渡された目的物の種類・数量・品質が、契約内容と適合していない場合には「不完全履行」に当たるため、瑕疵担保責任は「債務不履行責任」の一種として捉えるべきであるとする説です。
    契約責任説によると、瑕疵担保責任は、目的物が特定物・不特定物のいずれである場合にも適用されます。


    改正前民法下では、法定責任説が一応の通説とされつつも学説上の批判が根強かったため、現行民法では、契約責任説を明示的に採用し、「契約不適合責任」として再構成されるに至ったのです。
  2. (2)買主側が利用できる救済手段が増えた改正前民法における瑕疵担保責任では、買主は売主に対して、「損害賠償請求」と「契約の解除」を行うことができるにとどまりました。

    これに対して、現行民法における契約不適合責任では、上記の2つに加えて、新たに「履行の追完請求」と「代金減額請求」が救済手段として認められています。


    各救済手段の詳細については、後で詳しく解説します。
  3. (3)「隠れた瑕疵」の要件の撤廃改正前民法下の瑕疵担保責任では、法定責任説の考え方をベースとして、瑕疵の存在が「隠れた」ものであること、すなわち契約締結時点において、買主が瑕疵の存在について善意無過失であったことを要求していました。

    これに対して、契約不適合責任の下で採用されている「契約責任説」によると、契約不適合責任が発生するかどうかは、専ら目的物が契約内容に適合しているかどうかによって判断されますので、買主の善意無過失は要件となりません。


    そのため、現行民法下の契約不適合責任では、瑕疵担保責任で要求されていた「隠れた瑕疵」の要件が撤廃されています。

3、契約不適合責任を追及できる期間に要注意

施主・買主が、種類または品質に関して、施工業者・売主の契約不適合責任を追及する場合、契約不適合責任の責任期間内に、施工業者・売主に対して不適合の存在を通知しなければなりません。
責任期間は原則として、「不適合を知った時から1年」です(民法第566条、第637条第1項)。

責任期間に関する民法の定めは「任意規定」であるため、特約による排除が認められます。

ただし、新築住宅については、「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」における特則が存在します。
すなわち、「構造耐力上主要な部分」および「雨水の浸入を防止する部分」については、「引き渡しから10年」の責任期間が強制的に適用されるので注意が必要です。

また、以下の場合についても、施工業者・売主側の免責が認められないので気を付けましょう。

① 不適合の存在を知りながら、施主(買主)に告げなかった場合
② 自らの行為により、権利に関する不適合が発生した場合
→いずれも契約不適合責任の免責が一切認められません(民法第572条、第559条)。

③ 売主が宅建業者の場合
→契約不適合責任の責任期間を、「引き渡しから2年以上」とする特約以外の、買主に不利となる民法566条に関する特約をすることはできません(宅地建物取引業法第40条第1項)。

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不動産登記の種類

不動産登記の種類と必要なケース

不動産登記の種類
不動産登記には、「建物表題登記」、「所有権保存登記」、「所有権移転登記」、「抵当権設定登記・抵当権抹消登記」の4種類があります。これらは、建物を新築した・不動産の所有者が変わった・金融機関などから大金を借り入れたい・借金を完済したため抵当権を抹消したい場合などに必要となります。

建物表題登記
建物表題登記(「建物の表示登記」ともいう。)とは、一般的には建物を新築したときに行う、登記簿上の「表題部」を新しく作る登記です。不動産登記には、大きく分けて「表題部」と「権利部」の2つがあり、表題部には不動産の物理的現況が記録されます。土地であれば、所在・地目・土地面積、建物であれば、家屋番号、種類・建物の構造が記載されます。この表題部の登記については、建物が完成してから1ヶ月以内に登記申請をしなければなりません。

所有権保存登記
所有権保存登記は、住宅を新築した場合など、登記がされていない不動産に、所有者として初めて設定する登記です。先述した不動産登記上の「権利部」は、不動産の権利関係を記録する部分であり、更に「甲区」と「乙区」に分かれています。甲区欄には、所有権に関する情報が記載されており、所有者の住所や氏名、不動産の取得日、その原因や経緯(売買、相続など)なども記載されています。所有権保存登記をする場合は、甲区欄の最初に、所有者として名前を入れることになります。この登記をすることで、登記簿上の証拠となり、その不動産についての所有権を、第三者に対抗することができます(不動産登記の対抗力)。

所有権移転登記
所有権移転登記は、不動産を売買・贈与・相続した場合など、不動産の所有者が変わった場合に設定される登記です。所有権移転登記をすることで、当該不動産の所有権が、旧所有者から新所有者に移転し、新所有者は、その不動産の所有権を第三者対抗することができます(不動産登記の対抗力)。

抵当権設定登記、抵当権抹消登記
不動産を借金の担保とし、その借金が返せなかった場合などに、貸出人が有する、借入人が担保とした不動産を売却して、その売却代金から回収することができる権利を、抵当権といいます。そして、不動産に抵当権を設定する登記のことを、抵当権設定登記といいます。また、借金を完済した場合は、設定された抵当権を抹消する、抵当権抹消登記を行います。
抵当権設定登記は、所有権以外の権利に関する情報が記載される、権利部の「乙区」に記録されます。

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