市街化区域・市街化調整区域

すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域を市街化区域、市街化を抑制すべき区域を市街化調整区域という(都計法7条2項及び3項)。都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、市街化区域及び市街化調整区域の区分(区域区分)を定めることができる(ただし、首都圏整備法に規定する既成市街地又は近郊整備地帯、近畿圏整備法に規定する既成都市区域又は近郊整備区域、中部圏開発整備法に規定する都市整備区域の全部又は一部を含打都市計画区域及び大都市に係る都市計画区域として政令で定める区域についでは、区域区分を定めるものとする)としている(同法7条1項)。

更地

宅地の有形的利用及ぴ権利関係の態様の一つであり、都計法等の公法上の規制は受けるが、当該宅地に建物等の定着物がなく、かつ、借地権等の使用収益を制約する権利の付着していない宅地をいう。

サブリース

元来は、賃借人が更に第三者に賃貸(転貸)すること。不動産取引の場合、特に賃貸住宅にいて、空き家リスクや管理面のわずらわしさを避けるため、賃貸住宅のオーナーから管理会社等が一括して借り上げ、賃貸経営を行う方式を指す。管理会社等がオーナーに対して賃料収入を保証する方式もあるが、一括借上げ期間と転貸借期間とのミスマッチや賃料の下落から、トラブルも発生している。

先き物

業者から流される物件情報で、その業者が売主から直接依頼を受けた物件(直物件)ではなく、別に依頼を受けた業者が存在する物件という意味である。物件情報伝達の流れからみると、物件情報紹介業者の先に他の業者が存在しているというところから、このようにいわれ、媒介報酬の業者間の配分において重要な情報であり、これを明示しないと報酬配分でトラブルになりやすい。

催告の抗弁権(さいこくのこうべんけん)

保証人丙が債権者甲から請求を受けたのに対して、まず主たる債務者乙に催告するよう主張できる権利をいう(民法452条)。丙の債務は、乙が履行しない場合の補充的なものであるから、検索の抗弁権と並んで催告の抗弁権が与えられる。甲は催告の抗弁に対して乙への催告を証明すれぱ、再び丙に対する請求ができる。催告の抗弁にかかわらず甲が乙への催告をしないで、乙から全部の弁済を受けられないようになった場合には、直ちに催告すれぱ乙から弁済を得られたであろう額について、丙は免責される(同法455条)。催告の抗弁権は、乙が破産したとき、行方不明となったとき(同法452条ただし書)、または連帯保証のとき(同法454条)には、認められない。

催告

債務者に債務の履行を求めたり、制限能力者や無権代理人の行為を追認するかどうか確答を求めたりすることをいう。債務者に対し催告をした後、6カ月以内に裁判上の請求、差押え、仮差押え等の手続をすると時効中断の事由となり(民法153条)、期限の定めのない債務については履行遅滞の効果を生じ(同法412条3項)、債務不履行による契約解除権を発生させる(同法541条)。また、制限能力者が能力者となった後その相手方がこれに催告し、一定の期間経過後確答がなけれぱ、その行為を追認したものとみなされ(同法19条1項)、無権代理人と法律行為をした相手方が本人に催告し、一定の期間経後確答がなけれぱ、その行為の追認を拒絶したものとみなされる(同法114条)。催告は、口頭でしてもよいが、配達証明付内容証明郵便ですると、証拠を残すことができる。

債権譲渡(さいけんじょうと)

債権者甲が債務者乙に対する債権を第三者丙に護り渡すことをいう(民法466条)。債権は、その性質上譲渡を許さないもの、譲渡禁止の特約のあるものを除いて、自由に譲渡できる(同法466条)。譲渡は甲丙間でできるが、乙に対してこれを主張するには、甲から乙に通知するか乙の承諾を得ておかなければならない(同法467条1項)。また債権が丁にも譲渡されたような場合には、丙丁間では、確定日付のある甲の通知書又は乙の承諾書を持っていなければ、相手方に譲受けを主張できない(同法467条2項)。なお甲の通知の合には、乙はそれまでに例えば甲に済したことを丙にも主張できる(同468条2項)が、無条件に乙が譲渡を諾したときはその主張はできない(同法468条1項)。

債権・債務(さいけん・さいむ)

甲が乙に対して、金銭の支払、物の引渡し、一定の積極的行為(作為)又は消極的行為(不作為)を求めることのできる法律上の地位を債権といい、乙が甲に対して負うこれらの義務を債務という。債権は物権に対する概念である。物権は物に対する支配的絶対的な権利であるが、債権は人に対する権利であるから、同じ債務者乙に対して甲からのあるいは甲丙両名からの同一種類の数個の債権が成立しうる。ただし債権についでも第三者からの侵害に対し不法行為の成立が認められ、譲渡性もある(民法466条本文)。債権は債務者がこれを履行しないと損害賠償債権に転化し、また裁判に基づく執行により強制されることもある。

サービスルーム

建基法の採光基準等を満たしていない居室以外の部屋で、通常は納戸として建築確認を受けているもの。多目的ルーム、.スペアルーム、フリールーム等と表現されることも多い。

固定資産税

1月1日現在(賦課期日)に、固定資産課税台帳、又は補充課税台帳に登録された一定の土地、家屋、償却資産の所有者に課税される市(区)町村税(都税)である。課税標準は、3年にl度の基準年度ごとに改訂し、第2又は第3年度については比単価格で課税される。納税は普通徴収で4期分納である。

国土利用計画法

国土利用計画の策定に関し、必要な事項を定め、土地利用基本計画の作成、土地取引の規制に関する措置その他の土地利用を調整するための措置を講ずることを目的に昭和49年に制定された法律。都道府県知事は、都市計画区域のうち、土地の投機的取引が集中して行われ、地価が急激に上昇する区域等を規制区域として指定すること(12条)、規制区域内の土地の権利の移転等をする契約を締結する場合は、都道府県知事の許可を受けなければならないこと(14条1項)、一定規模以上の土地(市街化区域2,000m2以上、その他の都市計画区域5,000m2以上、その他の地域10,000m2以上)の売買等の契約を締結した場合には、権利取得者は、その契約を締結した日から2週間以内に都道府県知事に届け出なけれぱならないこと(23条1項)、都道府県知事は、地価が一定の期間内に国土交通大臣が定める基準を超えて上昇する区域等を注視区域として、地価が急激に上昇し合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域を監視区域として、指定することができること(27条の3、27条の6)、注視区域内及び監視区域内の土地の権利の移転等をする契約を締結する場合は、都道府県知事に届出をしなけれぱならないこと、届出をした者は、6週間を経過する日までの間は売買等の契約を締結してはならないこと(27条の4第1項、27条の4第3項、27条の7第1項で準用する場合)等を定めている。注視区域、監視区域の指定は都道府県で確認することができる。

コーポラティブ方式

組合方式ともいわれる。2人以上の特定の者が協同して敷地の取得、建物の企画設計、建築工事の発注等を自力で行い、‐住宅(主に集合住宅)を取得する方式。最近では、建築士又は不動産業者等が住宅建設組合の設立を企画し、不特定多数の需要者の中から参加者を募り、企画者が敷地の購入の斡旋、建物の企画・設計に対する助言、または設計等の請負等を行うものが多くなってきている。米国のコーポララティブ・アパートメントと異なり、各需要者が個々の住戸を区分所有する。

高齢者向け優良賃貸住宅

優良な高齢者向け住宅の効率的な供給を促進し、高齢者が安心して生活できる住環境を実現することを目的として平成13年10月1日に施行された法律。略して高齢者居住法ということも多い。バリアフリー化された賃貸住宅への国及び地方公共団体等による補助制度、終身建物賃貸借制度、高齢者の入居を拒まない住宅の情報を広く提供するための制度及び高齢者の既存持家をバリアフリー化するための支援制度等の整備・導入が図られた。

高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者居住法)

優良な高齢者向け住宅の効率的な供給を促進し、高齢者が安心して生活できる住環境を実現することを目的として平成13年10月1日に施行された法律。略して高齢者居住法ということも多い。バリアフリー化された賃貸住宅への国及び地方公共団体等による補助制度、終身建物賃貸借制度、高齢者の入居を拒まない住宅の情報を広く提供するための制度及び高齢者の既存持家をバリアフリー化するための支援制度等の整備・導入が図られた。

高齢者居住法

優良な高齢者向け住宅の効率的な供給を促進し、高齢者が安心して生活できる住環境を実現することを目的として平成13年10月1日に施行された法律。略して高齢者居住法ということも多い。バリアフリー化された賃貸住宅への国及び地方公共団体等による補助制度、終身建物賃貸借制度、高齢者の入居を拒まない住宅の情報を広く提供するための制度及び高齢者の既存持家をバリアフリー化するための支援制度等の整備・導入が図られた。

高齢者円滑入居賃貸住宅

高齢者の入居を受け入れることとしている賃貸住宅で、都道府県知事の登録を受けた建築物のこと(高齢者居住法4条)。登録を受けた賃貸住宅は、高齢者居住支援センター(・高齢者住宅財団が指定されている)が行う入居高齢者の家賃債務保証を受けることができ(同法11条)、登録簿は一般の閲覧に供される(同法9条)。

公募売買・実測売買

土地の売買に関する契約方式。公簿売買方式とは土地登記簿の表示面積により売買代金‐を確定し、以後その金額を変更しない方式、実測売買方式とは契約時に実際の面積を測量し、その面積に基づいた金額によって売買する方式である・暫定的に登記簿の面積により売買を行い、後に実測した面積との差を清算する方式もとられているが、実務上はこれも実測売買に含まれると解されている。一般に山林手農地めような広大な土地の売買はほとんど公簿声買によつて行われているが、地域によつては宅地売買において公簿方式をとる例も多い。しかし、個人の住宅地の場合は売主、買主の公平を期する観から実測売買とする契約が増えている。

公道

一般に国や地方公共団体等の公的主体が一般交通の用に供する道路をいう。道路法にいう高速自動車国道・一般国道・都道府県道・市町村道は公道の典型的なものである。なお、道路運送法上の自動車道(一般自動車道と専用自動車道)、土地改良法に基づく農業用道路、森林法に基づく林道(国有林林道と民有林林道)等は、その開設・維持・管理等についで公法的な保護・助成が受けられる半面、特殊な規制が加えられ、その所有者の自由な処分は許されていないので、これらは、私道というよりは公道としての性格の強い道路といえよう。

公租公課の起算日

不動産の売買に際しては毎年継続的に賦課される固定資産税、都市計画税を売主、買主がどのように分担するかという問題が生じるが、その負担額を算出する基礎となる日がいわゆる公租公課の起算日である。固定資産税、都市計画税は毎年1月l日の登記名義人に対して課せられるのであるから、税の分担については1月l日を起算日とするのが正しいとする暦年方式説(1月1日説)と1月1日はあくまで税の賦課期日にすぎず、課税対象期間は4月l日から翌年3月末日までと解釈するのが正当であり、したがって4月1日を起算日とすべきだとする年度方式説(4月1日説)の2説がある。

公正証書

公証人が私人の法律行為その他私権に関する事実について作成する証書をいう(公証人法1条)。公正証書は、公証人の面前において嘱託人がした陳述又は金銭の授受などの行為を、公証人が聴取又は目撃して作成する(同法35条)。公正証書は、訴訟手続上強い証明力を有し(民事訴訟法228条2項)、債権譲渡などでは確定日付のある文書とされ(民法467条2項、民法施行法5条1項1号)、遺言についでは家庭裁判所での検認の手続が不要とされ(民法969条、同法1004条2項)、さらに金銭の支払についでの公正証書で債務者が執行を受諾する旨の文言のあるもの(執行証書)は、債務名義として債務者の財産を差し押さえたりすることにも利用される(民事執行法22条5号)。

公信力

登記上の表示を信頼して不動産の取引をした者は、たとえ登記名義人が真実の権利者でないような場合でも、一定の要件の下でその権利を取得することが認められることをいう。わが国では、登記の公信力を認めない。したがつて、いくら登記名義人が真実の所有者と思って、その者から不動産を買い受けたとしても、真の所有者からはそれを取り上げられることになるので、不動産の取引では、登記簿を閲覧するだけでは不十分ということになる。これに対して、動産では占有に公信力が認められるから、売主の所有と信じた買主は、そぅ信じるについで過失がなけれぱ、真の所有者がほかにあっても、その動産の所有者となることができる(民法192条)。

更新料

借地借家契約の更新に伴って、賃借人から賃貸人に対して支払われる金銭をいう。借地権又は借家権が期間満了によって消滅しても、賃貸人に正当の事由がなけれぱ契約の更新を拒絶し、土地又は建物の返還を求められないため、賃貸人の要求により、更新料が支払われることが多い。問題は、特段の合意がない場合でも、賃貸人にその請求権があるかであり、これを肯定する説もないではないが、判例(最判昭51.10.1)は、商慣習ないし事実たる慣習として更新料の請求権があるという賃貸人の主張を認めず、通説も同様に解している。なお、更新料の支払につき合意があり、それが賃料の支払と同様に更新後の賃貸借契約の重要な要素として組み込まれ、契約当事者の信頼関係を維持する基盤をなしている場合には、その不払は、その基盤を失わせる著しい背信行為として賃貸借契約の解除原因となり得るとする判例(最判昭59.4.20)もある。

公示価格

地価公示法に基づき、土地鑑定委員会が、毎年1回公示する、一定の基準日における標準地の価格のこと。都市計画区域内で標準的な土地(標準地)を選定し、当該標準地について2人以上の不動産鑑定士等の鑑定評価を求め、その正常な価格を判定して公示するものである。例年1月1日現在の価格が3月下旬に公示される。公共事業の施行者が土地の取得価格を決める場合や国土法による土地取引規制における価格審査においてはこれを規準として行うべきこととされている。なお、地価公示価格の動向については、前年と継続する標準地の価格の上昇又は下落の率を意味する変動率が使用される。

権利証

権利に関する登記済証のことを略して権利証という。広義には登記所から登記済みの証明として交付を受けたすべての書面を登記済証というが、権利に関する登記済証とは、登記名義人がその権利を保存、設定、移転等により取得した登記の際、登記所から登記済みの証明として交付を受けた書面をいう(不動産登記法60条)。当該権利の登記名義人たることを表象する書面であり、その人が将来登記義務者として登記申請する場合には、その申請意思の担保として添付を要求される(同法35条1項3号)。もし登記済証が滅失又は紛失したときは保証書によることになる(同法44条)。なお、所有権の登記ある不動産についでの合筆、合併登記の登記済証は、その権利に関する登記済証として扱われる(同法60条1項)。

権利金

借地権、借家権の設定又は移転に伴い、その対価として賃料以外に授受される金銭をいう。借地借家法の適用を受ける借地権、借家権、とりわけ旧借地法の適用を受ける堅固な建物所有を目的とする借地権は、法律上強い保護を受け、かつ、長期間存続するために土地所有権(底地権)とは別個の財産権のように取り扱われ、その設定(借地契約)に当たっては、更地価格に対して一定割合(地域によって異なるが、概ね70%程度)の金員(権利金)が授受される。このような借地権は譲渡が行われても旧借地法が継続して適用されるので、譲渡に際してもその対価として権利金が授受される。借家の場合にも、礼金等同様のものがある。このほか権利金には、賃料の一括前払いの性格を持つもの、特に借家の場合に什器備品等を含めた営業権又はのれんの対価とされるものがある。

建ぺい率

建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建築面積÷敷地面積)をいう。建築物の敷地内に一定割合以上の空地を確保することにより、建築物の日照、通風、防火、避難等を確保するため、都市計画区域及び準都市計画区域内にぉいては用途地域の種別、建築物の構造等により、その最高限度が表のように制限されている(建基法53条)。次頁表参照。

建築面積

建築物が敷地を覆っている面積。建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積をいう。ただし、地階で地盤面上1m以下にある部分は、算定対象から除かれる。また、軒、庇、はね出し縁等がある場合で、外壁や柱の中心線からlm以上突き出ている場合には、その先端から1mまでの部分は、建築面積には算入されない(建基法施行令2条1項2号)。

建築物の延べ面積

建築物の各階の床面積の合計のこと。ただし、建基法52条1項に規定する延べ面積(建築物の容積率の最低限度に関する規制に係る当該容積率の算定の基礎となる延べ面積を除く。)には、自動車車庫その他の専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設(誘導車路、操車場所及び乗降場を含む)の用途に供する部分の床面積を算入しない(建基法施行令2条1項4号)。ここで、床面積とは、建築物の各階又はその一部で、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積をいう(同法施行令2条1項3号)。

建築物の高さの制限

都市計画区域及び準都市計画区域内において、建築物はその存する地域地区等に応じて、以下のような高さの制限を受ける。(1)第1種低居住居専用地域又は第2種低居住居専用地域内の建築物の絶対高さ制限(10メートル又は12メートル)(建基法55条)、(2)道路高さ制限、隣地高さ制限、北側高さ制限(同法56条)、(3)日影による中高層の建築物の高さの制限(同法56条の2)、(4)高度地区内の建築物の高さの制限(都市計画で建築物の最高限度又は最低限度が定められる)(同法58条)。

建築物の耐震改修の促進に関する法律

阪神・淡路大震災において、特に昭和56年以前に建築された現行の耐震基準を満たさない建築物の被害が顕著だったことから、現行の耐震基準に適合しない建築物の耐震改修を推進することを目的として、平成8年4月1日に施行された法律。(1)多数の者が利用する一定規模以上の建基法上の既存不適格建築物(特定建築物)の所有者は耐震診断、耐震改修に努めること、(2)建築物の耐震改修計画についで、所管行政庁に認定申請ができ、認定を受けて住宅の耐震改修を行う者には住宅金融公庫の融資条件の緩和を行うこと等が規定されている。

建築不可

再建築又は建築が不可能な土地の売買に関する広告をする際に当該広告に記載を義務づけられている表示(不動産の表示に関する公正競争規約10条)。建基法42条に規定する道路に2m以上接していない土地及び同法43条2項の規定に基づき地方公共団体の条例により付加された敷地の形態に対する制限に適合しない土地についで広告する際は、「再建築不可」又はF建築不可」と表示しなけれぱならない。また、市街化調整区域内に所在する土地については、「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません。」と16ポイント以上の大きさの文字で表示しなけれぱならない。ただし、開発許可を受けた土地等はこの限りではない。

建築条件付分譲宅地

宅地の売主又はその代理業者と購入者の間で、宅地の売買契約締結後一定期間内に、当該宅地上に建築物の請負契約を締結させることを停止条件として宅地を分譲することをいう。土地を販売するに当たり、当該土地に建物を建築すること又は当該土地の売主著しくは売主が指定する建設業者との間において、当該土地に建築する建物について一定期間内に建築請負契約が成立することを条件とするときは、当該取引の対象が土地である旨並びに当該条件の内容及び当該条件が成就しなかったときの措置の内容を明らかにして表示しない広告は、不当表示として取り扱われる。請負契約に関する協議を行わずに売主側の建物プランをそのまま押しつける方法や、建築確認後に建売住宅の売買契約に切り替える方法は、建物の請負契約が実体的に存在しない建築確認のない建売住宅の販売そのものとして宅建業法33条(広告開始時期の制限)、同法36条(契約締結等の時期の制限)等に違反するおそれがある。

建築基準法

建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めることを目的に、昭和25年に制定された法律。建築物の構造耐カの安全確保に関する基準、防火、避難に関する基準、建ぺい率、容積率、高さ等の形態に関する基準等、建築物に関する最低限の基準を定めている。また、その基準の実効性を担保するため、着工前の建築確認、工事完了後の完了検査・違反建築物の是正措置等の行政手続についで定めている。

建築安全条例

建基法は、建築物の敷地、構造及ぴ築設備に関し、地方の気候、風土の特殊性、特殊建築物の用途・規模等により、建基法に定める規定のみでは、建築物の安全、防火又は衛生の目的を充分に達しがたいと認める場合は、地公共団体は条例で、必要な制限を付加することができること(建基法40条)、都市計画区域、準都市計画区域及び一部の指定された区域外において、市町村は条例で、大規模の建築物の主要構造部等の規定の一部を適用しない又は制限を緩和することができること(同法41条)、特殊建築物、階数が3以上である建築物等が1,000m2を超える建築物の敷地が捜しなけれぱならない道路の幅員等についで、地方公共団体は条例で、必要な制限を付加することができること(同法43条2項)、等を定めている。これらの条例のことを一般的に建築安全条例といい、全国的に建築基準条例あるいは建築施行条例として制定されている。

契約の成立

対立当事者間に、売買、賃貸借等の法律効果を発生させるための意思表示が合致することをいう。一般的には、甲が土地を1,000万円で売りたいと乙に申し込み、乙がこれを承諾する場合のように、申込みと承諾の意思表示の合致による。申込みは必ずしも特定の人に対するものでなくてもよいが、甲が分譲住宅販売の新聞広告や折込みのチラシをしたような場合には申込みの誘引と考えられるから、契約はこれを読んだ乙からの申込みがあり、甲が承諾したとき成立することになる。契約は一般的には口約束でも成立するが、宅建業者(宅建業法34条の2、同法37条)、建設業者(建設業法19条)、貸金業者(賃金業の規制等に関する法律17条)は、契約の締結につき書面の作成交付を義務づけられている。

契約の解除

民法上は、売買・贈与契約等の一時的契約と、賃貸借、雇用、委任等のように一定期間継続する契約の両方についで「契約の解除」という用語を用いているが、講学上は、売買契約等、いったん成立した契約を一方の意思表示によって、当初に遡って解消させることをいう。契約の解除は、契約締結の際、一定の事由があるとき解除を認めるという合意をしておいた場合(約定解除権)か、履行遅滞(民法541条)、履行不能(同法543条)等、法定の事由がある場合(法定解除権)でなければ、これをすることができない。解約手付、買戻しの特約のあるときも解除権の留保があったものとされる。契約解除は相手方に対する意思表示でなされるが、履行遅滞の場合にはその前に催告を要する(同法541条)。解除により各当事者は原状回復義務を負い(同法545条1項)、もし損害があれぱ賠償請求もできる(同法545条3項)。なお、賃貸借、雇用、委任等の継続的契約の解除についでは、将来に向かってのみその効力を生ずるものとされている(同法620条、同法条、同法条)。

競売(けいばい、きょうばい)

広義には、売主が多数に買受けの中出をさせ、最高価格の中出人と売買をすることをいう。不動産競売については、金銭債権の不動産に対する強制執行手続に基づくものと、担保権の実行手続に基づくものとがある。

ケアマンション(シルバーマンション)

高齢者専用の住宅で、集合型式のもの。単身用、夫婦用などのタイプがあるが、各住戸は高齢者に配慮された設計、設備となっており、必要に応じて生活相談、介護など日常的な生活支援サービスが受けられる。高齢者の増加に伴い需要が伸びている。高齢者住宅には、住宅施策としてのシルバーハウジングやシニア住宅、福祉施策としての有料老人ホームやケアハウスなどがある。

グルニエ(Grenier)

屋根裏部屋のこと。元来は穀物置場を意味していた。天井が傾斜していて外気の影響が大きいため居室には適していないが、屋根の一部に窓をつけると通風、採光がよくなり、居室としても利用できる。

区分所有建物の敷地利用権

区分所有建物の専有部分を所有するために建物の敷地を利用する権利をいう(区分所有法2条6項)。区分所有の形態には、縦割型、横割型、及び複合型があり、それによって利用権も異なることがある。.土地利用権としては、所有権が最も多いと思われるが、区分.所有者全員が敷地全部を所有する場合は、専有部分の面積に応じた持分による共有の関係を生ずる。地上権や賃借権の場合も、全員が一体として設定しているときには準共有となる。敷地利用権を有しない区分所有者に対しては、その専有部分の収去請求権者から、区分所有権の時価による売渡請求権がある(同法10条)。

区分所有権

一棟の建物に、構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所、又は倉庫、その他建物としての用途にすることができるものがあるときの、その各部分を目的とする所有権をいう(区分所有法l条、同法2条1項)。この各部分は専有部分と呼ぱれ、共用部分と区別される。専有部分についでは、一般の所有と同様に扱われるが、一棟の一部であるから共同の利益に反するような使用は許されない(同法6条)。共用部分に対しては専有部分の床面積の割合で持分を有し(同法l4条)、共同で使用する(同法}3条)。専有部分の処分は自由であるが、敷地利用権をこれと切り離すことはできず(同法22条)、共用部分の持分の処分もこれに従う(同法15条)。

クーリングオフ

宅建業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、宅建業者の事務所又はそれに準ずる場所以外の場所でなされた宅地建物の買受けの申込み又は売買契約についで、8日間以内の場合には無条件に申込みの撤回又は契約の解除ができる(宅建業法37条の2)。これをクーリング・オフという。ただし、次の場合には申込みの撤回等ができない。申込みの撤回等ができる旨等一定の事項を告げられた日から8日を経過したとき、宅地建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部が支払われたとき。申込みの撤回等の意思表示は、書面により行う必要があり、その効力は書面を発したときに生ずる。この場合、宅建業者は速やかに手付その他の受領した金銭を返還しなければならない。

切土

元の地盤の上に土を盛って宅地を造成した部分を「盛土」部分、元の地盤を削って宅地を造成した部分を「切土」部分という。傾斜地を造成した場合、1つの宅地で「盛土」と「切土」部分が混在する場合も多い。宅地造成等規制法では、宅地造成とは宅地以外の土地を宅地にするため又は宅地において行う土地の形質の変更をいい、土地の形質の変更とは、(1)切土をした土地の部分に高さが2mをこえるがけを生ずるもの、(2)盛土をした土地の部分に高さが1mをこえるがけを生ずるもの、(3)切土と盛土を同時にする場合において盛土をした土地の部分に高さが1m以下のがけを生じ、かつ、当該切土及ぴ盛土をした土地の部分に高さが2mをこえるがけを生ずることとなるもの(4)切土又は盛土をする土地の面積が500m2をこえるものをいうと規定されている(宅地造成等規制法施行令3条)。

居住用財産の譲渡の際の課税の特例

租税特別措置法による課税の特例で、個人が居住用財産を譲渡した場合の課税の特例措置。次のものがある。(1)自己の居住用財産を譲渡した場合、その譲渡益から3,000万円を控除した,金額が課税譲渡所得金額となり、長期渡であるか、短期譲渡であるかによって、それぞれの計算方法により税額を計算する(居住用財産の3,000万円特別控除、租税特別措置法35条)。(2)譲渡した年の1月1日で、家屋と土地との所有期間がともに10年を超えているものは、譲渡益から3,000万円の特別控除をした後の課税譲渡所得金額に対して、金額に応じて税率を軽減する(特別控除、軽減税率の特例、同法35条、同法31条の3)。(3)一定の条件の下で一居住用財産の買換え・交換を行った場合、買換え資産の価額が譲渡資産の価額を上回れぱ、譲渡所得の全体に対して課税の繰延べがきれる。ただし、特定の居住用財産の買換え・交換特例は平成15年12月31日までの譲渡にしか適用されない。(相続等により取得した居用財産の買換え・交換特例、同法36条の2、同法36条の5)(特定の居住用財産の買換え・交換特例、同法36条の6)。

居住用財産の譲渡損失の繰越控除

租税特別措置法による課税の特例で、平成15年12月31日までの譲渡で、個人が単年通算によっても控除しきれなかった居住用財産の譲渡損失の金額を有する場合に、買換え資産(一定の居住用財産)に係る住宅借入金等を有する等一定の要件の下で、その譲渡損失の金額についでその年の翌年以後3年内の各年分(合計所得金額が3,000万円以下である年分に限る)の総所得金額等からの繰越控除を認めるとするもの(租税特別措置法41条の5)。

居室

居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室(建基法2条4号)。居室は、採光、換気、日照等について一定の条件を満たさなければならないとされている(建基法28条以下)。

共用部分

区分所有を目的とされた建物のうち、専有部分以外の建物部分、専有部分に属しない建物の附属物などをいう(区分所有法2条4項)。共用部分には、法定共用部分といわれる部分、a基礎及び壁・柱等、建基法2条にいう主要構造部など、b廊下、階段室、玄関、配電室等、構造上共用とされる部分と、規約共用部分といわれる管理人室、集会室、物置、倉庫等、管理組合の規約で定められるものとがある。これら共用部分は、全区分所有者の共有に属し(同法 条1項)、その持分は専有部分の床面積の割合による(同法14条)。各共有者は共用部分を使用することができ(同法13条)、専有部分が譲渡されると、共用部分の持分もそれに従って移転する.(同法15条)。

青田売り

元来は「稲が十分に成熟しないうちに収穫高を見越してあらかじめ産米を売ること」の意味であるが、不動産業界においては、未完成の宅地あるいは建物の売買等をいう。青田売りについては、宅建業法により広告の開始時期の制限(同法33条)、工事完了時における形状・構造等の書面による説明(同法35条1項5号)、契約締結等の時期の制限(同法36条)、手付金等の保全(同法41条)の規制を受ける。

RC造

Reinforced Concrete造の略で、鉄筋コンクリート造のこと。鉄筋は引張力に強く、コンクリートは圧縮力に強いという両者の利点を生かし、鉄筋でコンクリートを補強した構造。高層建築になるほど下層部分の柱、梁を太くする必要があるので全体重量が増加するため、多くは中層建築物の建設に用いられる。

預り金の保全

宅建業者が受領しようとする支払金又は預り金については、宅地建物取引業保証協会が一般保証業務として行う保証措置(連帯保証)、銀行等が一般保証委託契約に基づいて行う保全措置、及び保険事業者が保証保険契約に基づいて行う保全措置及び指定保管機関が一般寄託契約等に基づいて行う保全措置が設けられており、その概要は宅建業法35条に規定する重要事項の説明の1項目となっている。宅建業法35条1項10号に規定する支払金・預り金とは、代金・交換差金・借賃・権利金・敷金その他名義のいかんを問わず取引の対象となる宅地又は建物に関して受領する金銭である。ただし、受領額が50万円未満のもの、宅建業法41条又は41条の2の規定により保全措置が講じられてぃる手付金等、売主又は交換の当事者である宅建業者が登記以後に受領するもの、及ぴ報酬は除く。

一般定期借地権

平成4年8月1日より施行された借地借家法で新たに創設された定期借地権制度の一形態(借地借家法22条)。この借地権は、存続期間を50年以上とし、更新、建物買取請求権を認めないもので、存続期間の満了により借地契約が終了する。したがって、借地権者は、期間終了時には、、建物を取り壊して土地を更地で返還することになる。この借地権を設定する場合には、(1)更新による存続期間の延長がないこと、(2)建物が再築されても期間の延長がないこと、(3)契約終了時に建物買取請求をしないこと—の3つの特約を約定することが必要であり、特約は、公正証書による等書面によってしなければならないと法律上要求されている。主な利用目的として、賃貸・分譲住宅、賃貸ビル、個人住宅等が考えられる。

一般媒介契約

媒介契約の一形式で、依頼者が他の宅建業者に重ねて媒介や代理を依頼することが許されるもの。一般媒介契約が締結されても、依頼者は他の宅建業者ヘの依頼が制限されないので、有利な取引の機会がそれだけ広くなるが、宅建業者の側からすれば成功報酬を得られる保証がないため、積極的な媒介行為を行わない場合もある。一般媒介契約には、他に依頼した業者名を明らかにする明示型とこれを明らかにしない非明示型とがある。なお、一般媒介契約を締結するときは、国土交通大臣の定める標準一般媒介契約書によることが望ましいとされている。

移転登記

ある権利を有した人から他の人へ、その権利が移転したことによってなされる登記をいう。記入登記のひとつである。記入登記とは登記をその内容によって分類した場合のひとつで、新しい登記事項が生じた場合これを登記簿に記入することを目的としてなすものをいい、ほかに表示登記、保存登記、設定登記及び処分制限の登記がこれに属する。移転登記は、附従性を持つ地役権を除き、登記できるすべての権利についてなされる。なお、所有権の移転登記は主登記でなされ、所有権以外の権利の移転登記は附記登記でなされる。

委任・準委任

不動産の売買や賃貸借の契約の締結といった法律行為を他人に委託することを委任という(民法643条)。法律行為以外の事務の委託をすることは準委任といい(同法656条)、委任の規定が準用される。不動産売買の媒介などは準委任と解されている。準委任には委任の規定が準用されるから、民法上は両者に大差はない。委任自体も契約であり、通常委任事項を明記した委任状又はこれを記載しない白紙委任状が交付される。委任はとくに報酬を定めない場合は無償とされる(同法648条)が、費用は前払を受けることができ(同法649条)、立て替えたときはその額と利息を請求することができる(同法650条)。委任契約は、委任者又は受任者の死亡や破産のほか、受任者が後見開始の審判を受けると終了する(同法653条)ほか、当事者双方はいつでも解除できる(同法65l条l項)。なお、宅建業者が宅地建物取引業の業務に関して媒介をする場合は、特約がなくても報酬請求権が認められ、有償である(商法5l2条)。

居抜き(いぬき)

家具や設備がついたままでの売買、あるいは賃貸借のこと。多くは飲食店、旅館等で営業用の設備、装飾品等の経済的価値のあるものがついたままでの売買、転貸、賃借権の譲渡をいう。この取引にあっては、対象となる不動産の価値よりも、それに付着する設備等の価値の判断が重要となる。また、賃借人がついたままでマンションやビルを売買する場合には居付きという。

違約金

契約に定めた事項に違反した者が相手方に対して支払う金銭をいう。違約罰のひとつである。一般に、契約に違反(債務不履行)した者は、法律に基づき、その違反によって相手方が被った損害を賠償しなけれぱならない(民法415条)が、違約金は、当事者が契約を締結する際、「この契約に違反した者は相手方に対して金100万円の違約金を支払う」というように、金額まで決めておくことに特徴がある。違約金の性質は契約によって定まるが、民法は賠償額の予定と推定している(同法420条3項)。賠償額が予定されると、違反者は損害が発生していないとか、実際の損害は予定額より少ないなどと争うことができないことになる。

違約手付け

買主から相手方に対して交付される金銭その他の有価物をいう。手付には、契約の成立を証する証約手付、手付を交付した者はそれを放棄し、相手方はその倍額を償還して契約を解除することを認める解約手付、手付額を債務不履行の場合の損害賠償額の予定又は違約罰とする違約手付がある。どの「手付であるかは当事者の意思によって決められるが、いずれの場合にも、証約手付の意味がある。民法ほ、当事者の意思が不明のときは、解約手付と解することとしている(民法557条)。宅業者が売主として受け取る手付は解約手付である(宅建業法39条2項)。なお、契約の際内金と表示されても解約手付と解されることがある。手付金は、契約が約定どおり履行されるときは、一部弁済として取り扱われることとなる。

請負契約

請負人がある一定の仕事を完成させ、注文者がこれに報酬を支払う契約をいう(民法632条)。一般的には建物の建築とか土木工事など有形的な仕事についで締結される。注文者は完成した目的物の引渡しを受けるのと同時に報酬を払えぱよい(同法633条)。これに暇癌があれぱ修補や損害賠償の請求ができる(同法634条)。また、注文者は仕事が完成するまでならいつでも請負人の損害を賠償して契約を解除することができる(同法64l条)。 なお、土木建築等の業者との請負契約についでは、紛争予防のため必ず法定の内容の書面(通常は契約書)を作成交付しなけれぽならず(建設業法19条)工事について紛争を生じたときは、建設工事紛争審査会でもその解決を図る途が開かれている(同法25条以下)。