借地権の譲渡とは、旧借地権者(譲渡人)の地位がそのまま譲受人に移つて、譲受人が借地権者になり、旧借地権者は借地関係から離脱することをいう。借地の転貸とは、借地権者の地位は変動せず、借地権者が自己の借地権の範囲内で、第三者(転借地権者)のためにさらに借地権を設定することをいう。借地権が建物所有を目的とする土地の賃借権の場合は、これらのためには、借地権設定者の承諾を要する(民法612条、地上権の場合は不要)。この承諾についでは、借地権者から借地権設定者に対して、名義書換料等と称して借地権価額の5~15%程度の金銭が支払われることが多い。しかし、借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の中立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる(借地借家法19条1項)。借地権付建物譲渡の取引では、建物譲渡に伴い借地権が譲渡される。